2010/06/26

カルチョ

一昨日からなんかおかしいねん、雰囲気が妙に静まってる
ちょうどミラノに用事で行ったんやけどいつもの騒々しさがない。
うん?・・・はて・・ 
あ、カルチョやな。

街の中からどことも無く響く歓喜と罵声

窓という窓からTVが見えて、みんな釘付けやん。
で結果は前回の覇者イタリア、予選負け!

どおりで静まりかえってるワケや。

おもしろいのがTV、試合後のパネリストによる討論が
日本の某局の”朝まで生TV”のようなネクタイしてみんな真面目に話し合ってる
試合に負けて2日が経ってもまだやってる。
”あさっての朝までTV”である

もちろん討論されるのは政治や経済ではなく
あくまで”カルチョ”、サッカーである。
平和な人々だ。





ちなみに私はサッカー好きでもキライでもなく、ただ白いボールが右往左往するのが退屈なだけ
景色が見れる自転車レースの方が断然(見るのが)すき。

2010/06/16

マルゲリータ

フレームについてるボトルゲージの穴
最近のフレームは極薄の鋼管を使うんでここに500gの水はちょっとキツイ
で、星がたのような補強板を溶接するんやけど、カタチに問題ありやねん。
ひし形の補強板

コレ、パイプに対して少しでも狂おうもんなら一目瞭然でちょんバレ。
こいつのカタチを変えてしまおうと考えて、
こんなんを思いついた。
どっち向いても大丈夫なカタチで真ん中に穴があって・・っと。

図面書いて、レーザーでステンレスを切ってもらったら・・
おっとイケない、数量を間違えてもうた。
数日後・・400個のマルゲリータがやってきた!
えらいこっちゃ。。
ちなみに茎と葉はつきません

と言うわけで今後、全てのフレームにマルゲリータの補強板 ”マルゲ板” がもれなく溶接される。

2010/06/15

アルプスいち万尺♪

土曜日の昼まではお仕事やねん、で、お昼の電車に乗ってまたまた行ってきた
今回は翼の王国にも出演した「ロレ雄」も一緒にブレンネロ峠へ
彼の愛車はウチのクロモリフレーム”INQUBO”
テストライドを兼ねて・・と言うとちょっと仕事っぽい。
堂々と遊びに、あ、イケねぇ・・仕事に行ってきた。



ブレンネロからボルツァーノまで最近自転車道が整備されたと聞いた
早速行ってきました。
昔の線路を自転車道にした箇所は勾配は少なく非常に走りやすいが所々まだ工事中
親方から聞いた話では旧線路は勾配がキツく貨物列車は機関車を3つつないでひっぱていたそうだ。
そこである技師がトンネルを計画して山の中をループさせて峠へ向かうルートを計画。
山の下側と上側から掘削工事が進められカーブしたトンネルは中間地点でお互いに出会う予定だった。

が  しかし・・

掘っても掘っても上からチームと下からチームが出会わない
もしかしてすれ違って掘ってるんじゃ?
2本のトンネルが出来るってこと?
出会うはずの距離まで掘ってそんな疑問が噴出したころ
技師は自分の計算ミスを疑い自殺してしまった。
彼が亡くなった翌日、なんとトンネルは開通。計算は間違っていなかったのだ。

気の毒な話だがおかげで山肌の旧線路はサイクリングロードに変身。
ありがたく走らせてもらうことにする。

2010/06/11

マラニーニ

この時期になると工房には時々古い自転車が持ち込まれる
季節が良くなってバカンスに持って行くんだろうか70~80年代のレーサーが毎年のようにメンテに入ってくる。ま、ウチの工房をしってるローカルのサイクリストたちやからかなりその筋のひとたち。だって表向き自転車工房とは書いてへんにもかかわらずやってくる。普通のひとではないお客が普通じゃない自転車を持ってくるのだ。今回はMALAGNINI/マラニーニ、1990年まで腕をふるったベネトの職人でウチのオッサンも彼から仕込まれたという。

丁寧な作りは見て取れるがフレームを見て変わったところがある。それはチェーンステーに24mmという大きな径のパイプを使ったこと。70年当時BBラグはチェーンステーは22mm丸しか入らなかった、TIG溶接はまだ一般的になっておらずティーノ・マラニーニはパイプを勘合部だけ22mmに細く絞ってラグとロウ付け、チェーンリングと干渉する部位は1.5mmを開けて外側から凹みを入れてある。ムム・・秀逸である。

パイプが丸でしかも24mmと大きいモンだからタイヤクリアランスは内側のツブシで確保し許される寸法を無駄なく使っている。これによってリヤ側の剛性が上がり踏むとレスポンスの良いフレームが出来るのである。そのコンセプトはTIG溶接フレームでウチのINQUBOや世界戦で供給したトラックフレームなんかがそのまま受け継いでるねんけど当時はラグしかなかったから苦労があったこと想像できる。

ワイヤーは全て内蔵工作で真鍮パイプがTOPチューブを貫き変速ワイヤはダウンチューブを通りBBシェルのすぐ内側、BBシャフトのカバーにあたる位置にアルミの筒状のワイヤガイドが入ってる。
変速比率の変えられる珍しいカンパのリヤメカが付いて丸ごとメンテに持ち込まれたのでした

お客にオッサンが
「コレ売ってくれへんか?」とマジで言ってたのはホンマ

2010/06/08

リンゴジュースとウインナー

巷のアシストバイク騒動をよそにボルツァーノを経由してメラーノに行くことにした。と言うのも本来なら日本行きのフレーム塗装が待っている・・はずなんやけどメッキ屋が間違ってツルツルの所をザラザラでメッキをしやがった。で、やり直し。イタリアらしいとしか言えない、もう慣れっこになってる。怒り狂ってもしゃーないんで上がってくるまでヒマになった。

うん、自転車乗ってどこ行こう・・浮かんだのはメラーノ
160km北の山あいの街、そうハイジがいそうなアルプスの集落が見れるはず
そう決めて自転車を電車に積んだ。何故メラーノかというとその昔初めてイタリアに来た年にミラノから木製自転車でドイツまで行った。ボルツァーノを経由してブレンネロ峠を越えたけどメラーノと言うところはボルツァーノから分岐していく谷を遡ったところにある。さらに進めばジロで有名なステルビオ国立公園がある。ま、アルプスのど真ん中というところ。

ボルツァーノから線路は単線になり山をかきわけていく。あたりは6月の太陽に照らされたリンゴ畑が連なり時々見える出荷場には収穫に使われるプラスチックの箱が綺麗に積まれて夏の終わりを待っている。
ボルツァーノ以北は完全にドイツ語圏だ。イタリア領なんだけどドイツが公用語として学校でも使われている。歴史的背景がありオーストリア領になったりしたんでアルトアディジェ特別州と呼ばれる。チロル地方とも言われ独特の文化を持っている地方でもある。この特別州の税金はローマには行かないので全てにおいてではないが独自行政がされる。道標なんかは先にドイツ語、下にイタリア語という具合だ

久々の海外ひとりツーリング、ワクワクするね。ま、イタリアにいるのもひとりなんやけどもうホームみたいなもんで新鮮みがない。電車で2時間のワクワク海外ちょっとドキドキ。昔はイタリアもドイツも私には変わりなくワクワクしっぱなしでどこに行っても発見があった。そんなエッセンスを探しにもう一度知らない土地でペダルを漕ぐ。そやけど「ダンケ!」ってなんや?
車窓からは南風にそよぐりんごの葉に小さなみどりの実が見え隠れしている

メラーノから自転車を漕ぐ。アルプスの急峻な山に囲まれた街で日没が早い。
暗くなる前に宿を取ることにした。ひとり旅だからメルヘンチックな所は避けて点在するホテルや山小屋風のペンションをあたる。探しながら走っていると次の街まで来てしまった。さまよいだして2時間、どこも何故かいっぱいである。
どうもドイツの連休と重なってしまったらしい。臆病なドイツ人からしたら言葉の通じる海外だから人気なのだろう、年配のドイツ人がやたらと多い。川沿いの公園ベンチがアタマをよぎりだしたときホテルを見つけベッドを確保した
部屋のバルコニーからは3000mはあろうかという山々が見るものを圧倒する
太陽はとっくに隠れて山のサキッチョだけが夕日に赤く光っていた。



大きな地図で見る

翌朝ボルツァーノへ向けて川沿いを下る。下ると言っても勾配はほとんどない。
あたりは牧歌的な風景だったがハイジもペーターもいなかった。
ボルツァーノの街は何回も来ているので中心街を通過することなくチロル川に合流しさらにこのチロル川沿いの自転車道をトレント方面へ下る。良いペースで午前中だけで60kmを通過したところORAと言う小さな駅に着いた
この駅には駅舎を改装したBARがあってここで休憩をすることにした。ちょうど昼だしJAZZバンドが奏でるベースが気持ちよかった。3杯もリンゴジュースをいただいてしまった。このリンゴジュースあとしばらく南下して完全にイタリア語圏になると見つけられなくなる。何故イタリアにはリンゴジュースがBARはおろかスーパーに行っても手に入らないのかはイタリア七不思議のひとつ。ここまで来るとみんなドイツ語アクセントが抜けイタリア語が堪能になってくる。


メシを食って昼の部を快調にこなせば工房まで帰れそうなペース、途中ガルダ湖に寄って水浴びでもしようかとも思う。
がしかし。。漕いでも漕いでも進まない。がぶ飲みしたリンゴジュースのせいではない、スゴイ南風が谷を駆け抜けていく。(ビデオ後半の立木に注目)どおりで地元サイクリストはみんな南から北を目指し、デカい日本人とドイツ人サイクリストだけが南に向かって漕いでいる。そうここは天気の良い日には午後から強烈な風が吹くことで有名らしい。
しまった・・ まるで風の谷のナウシカ、風の勢いはとどまるどころかどんどん増していく。狭い谷を南で暖められた空気が北へ膨張するように谷を登ってくる。トレントまで40kmに午後4時間を掛けることになってしまった。
途中あまりにも辛いんでベンチで昼寝し夕方5時頃トレントに着いたがこれ以上は向かい風の中走るのはムリ。
昔のホームだった懐かしいトレントをくるりとまわり国鉄にピンクの自転車をのせた



2010/06/05

ジャガイモの国<続>

ドイツショーの動画を発見
ちょこっとウチらも出てるん、

下のFIXIE.inc のフォークは私が作りました
まさかFIXIEの連中からのオーダーだとは知らずに際どい寸法で作ったん

VIDEOのなかでフランスのジュリーレーシングデザインが出てくるんやけど
奴ら夫婦でとんでもなくクリエーティブな自転車を作る
でもってデザインセンスが抜群、去年から眼をつけてたけど今年はスゴイ意欲作やった
片持ちの自転車は「タイヤ交換するのに便利」だって、最高!



↓の動画にオレすこし写ってルん♪

カンチェラーラ

イタリアではある選手がやたら話のネタになる今日この頃
スイスのファビアーノ・カンチェラーラ
個人タイムトライアルでは無敵の強さ、いや異常な速さで他を圧倒する
ピンクのスポーツ紙”ガゼッタ”にデカデカと
”カンチェラーラは”アシスト機能が付いた自転車を使ったのでは?”
う〜ん・・なんだかおかしな具合やで

実物のアシストユニットは2年前のドイツショーで実物を見た
オモチャみたいなもんだったんで気にしてなかったけど
プロツールで使う手があったやん! 気づかへんかった。



ホントかよ・・
プロツールの話は親方や奥さんからさんざん聞いたけど
とくにドーピングの話とか盛りだくさん
そやけどこの手があったか
2年あれば電池もモーターも進歩するわな。
当時から良くできてて一切外から見えないワケ、
バッテリー工具なんかの電池やモーターの進歩を考えれば出来なくもない。
しばらくこの話題は続きそう

2010/06/01

ピンクな日

世界遺産らしいVERONAの旧市街、ピンクな自転車で行ってきた。
ジロ・デ・イタリア最終ステージはタイムトライアル
15kimの市街地コースを選手が駆け抜ける

街はユネスコ世界資産に指定されている。
もちろんアスファルトの場所もあるけど、旧市街はほとんど石畳
ビンコロ石が敷き詰められてほどよくガタガタでやねん

街の真ん中のローマ時代からある円形競技場、ALENAがゴール
その200m手前の最終カーブに陣取って、アイスクリームをいただく。
PRカーのおねーちゃんたちは今日が最後とばかりに踊ってた