前輪の加重はライダー80kg+チャリ10kgの4割 =36kg
後輪の加重は 6割 =54kg
ぐらいあるとアタマに入れておこう。
そこで一考
前輪は昔から100mm幅で今も変わらない。しかし後輪は110mm(NJS規格)から120mm、126mm、130mm(現ロード)、135mm(主MTB)など。。
コレって、多段変速の結果右側フランジが中心へ押されてきてる歴史やん?
多段化の過程でリヤフランジ間がどんどん狭くなっている。
本来なら、左右に広がるフランジに引っ張られてリムが左右にブレない強さを発揮するはずだが、現在はその間隔が狭く左右フランジ間を三角形の底辺と考えるならその底辺がどんどん狭くなってしまい横方向の剛性はどんどんリムに頼らざるを得なくなってる。しかしタイヤ幅である25mmを越えられないのでその高さを増してリムの断面のヨコ方向の強さを確保している。
これは木製リムに限ったことではなく ホイール全般に言える話なのだ。フロントとリヤのハブとリムの関係はこのようになる。フロント側の三角形がしっかりしているのに比べて本来加重が多いリヤ側はフロントに比べて細い三角形を構成する。三角形の底辺(図中ではフランジ間の寸法)がホイールの強さに関係することがわかってもらえるだろうか?
さらに、リヤの右側フランジ(B')は多段フリーに押されて中心へ移動。それと呼応する左フランジは本来の(A)という位置に来るはず。しかし寄せられた(B')に対してバランスを取りリムをハブ全体の中心(C)という位置に固定しなくてはならないのでフランジが(B)の位置に設置される=リムを中心に持って来るための対処がフランジ(B)なのである。
(B)ー(B')を組むに当たりテンションの違いを利用する。Bのスポークはかなりユル:B'のスポークは「びんびん」になる。おなじテンションで組むとリムは(C)に来ないのである。
三角形を見てわかるとおり加重の大きなリヤ側ホイールの剛性はフロントに比べ落ちてしまうのである。
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さて、この問題は多段化するコンポーネントによって引き起こされる問題だが解決策が無いわけでもない。
1)リムをオフセットしてしまう=例)カンパニョーロなどがリム中心から左側へずれた位置にスポークをセットしている そうすることによってフランジ(A)を(B’)とバランスが取ることができて三角形の底辺が広がる
2)フレームを左右非対称にして変速機側に大きく張り出した形状にする。ペダリングする足に干渉する可能性はあるがこれもリヤホイールの剛性化、いや健全化を実現する一つの方法だろう。(ハブOLDに対してオフセットした位置にタイヤが来るので基準づくりが必要になる)
3)内装変速を使うとコレ、全て解決。 もっと素晴らしいのは変速機を取ってしまう!
自転車の素晴らしいのは必要最低限のシンプルさ。決して快適性を求めたノリモノではないという原点に立ち返り変速機を取ってしまう。(個人的にはコレが良いと思う)
総合して。。
マジメにロードコンポに7Sをリリースして欲しい、5sでもいい。現代のほそ〜いチェーンを使ってナローなフリーボディーを作ってもらいたい。段数が少ない=下級グレード 的な考えはもう古いと思う。よく考えて欲しいんだけど、フレームやコンポに数グラムを軽量化する人々が多いが11速のなかの10枚のピニオンと1枚のチェーンリングはどんなときも使われてないんだよ。ホイールの性能を犠牲にして多段化することにフレーム屋として疑問を感じる。制動するブレーキがないのは問題だが、駆動システムのもっともシンプルなカタチとしてピストのニーチャンたちだって単速であれだけ走ってるんだから可能でしょ。
変速システムは駆動にチェーンを使っている以上今後もおおきなブレークスルーが無いのだろうか? 11の次は12? そんな段数おいらは必要ないね。
●ワイドレシオ快適11速にアンバランスな「よわっちい」ホイール
●非常にしんどい変速ナシにバランスの取れた「つおい」ホイール
どっちがいい?