2012/02/09

650C考

身体からサイズを割り出す作業をしてて思う。。

ほとんどの日本人にはこの700cというサイズは大きすぎるじゃないか? サイズオーダーなのに車輪が固定ではその設計の幅が極端に少ないねん。

フレームサイズって股下からサドル高がでる、シートピラーをどれだけ出すかでフレーム高さが決まる。ここまでは良いとしよう。 530mmを切るトップ長さでヘッド角72度をキープするとコレ、車輪がつま先に当たるねん。 で、普通大手メーカーがするのはヘッド寝かせて70度とかで作ってまう。車輪がセンターに寄らないからそれ以外に方法は無いんでシート角を立ててヘッド寝かすことでトップを詰めていく。 が、し か し。 ウチの工房じゃ絶対に72度以下にヘッドを寝かさない、そんなことしたら親方から金槌が飛んでくる! と言うぐらいタブーな感じ。 それはヘッドを寝かすことで操縦性(guidabilita')がすこぶる悪くなりカーブで曲がらない、反応の鈍いマシンになると言う。 極端な話コメ屋の自転車みたいになる。

なら、どうするか・・ つま先が当たるのを覚悟してヘッド角をそのまま72度をキープして詰める か もう一つは車輪を小さくする という方法がある。
その車輪を小さくする、通常700cというサイズの車輪を650Cにするとスモールサイズでも自然なポジションが取れる。 ヘッドも楽々72度をキープできてしかもハンドルを低くできる。 よく見るのは700cで無理矢理小さく設計したフレームは大きな車輪のためハンドルがサドルに対してほとんど低く取れず、ドロップバーを付けているにもかかわらずまるでポジションはシティーサイクル。 通常、700cでレースに出るクラスのひとは7cmぐらいの差がある(サドルがハンドルに比べて7cmぐらい高い)ツーリングで4〜5cm、背筋の少ない年配のサイクリストで2〜3cmというところだろう。 しかし、スモールサイズで700cだとこれが取れない。これではオオカミの皮を被った羊やん。。 

ソコを650Cにするとこれが大きく改善されるねん。
で、
身長150cm 股下70cm のお客さんに650Cのチタンバイクを作ってみた

奥が700C、手前650C
ヘッドも犠牲にせず、シートも極端に立てず
700cの操縦性をそのままに、寸法だけを小さくした感じ
TOP 500mm H430mm


無理なくトップ長500mmを実現、しかもサドルピラーはカッコ良く出るし、ハンドルもしっかり下がる。ヘッドチューブも120mmとしっかりコラムをつかめるので安定する。
唯一の弱点であるBBハイトも165mmクランクを入れることを前提にして落として安定させる。 と良いことづくめ・・と思いきや、タイヤが結構無かったり、チューブが無かったり、リムが大手メーカーから出てなかったり・・と車輪系の部品が少ないが無いことは無い。 
(こないだアラヤさんにリムを作ってくれと言ったら売れないから作らないと言われてしまった。) 市場からオレの欲しいモノがどんどんなくなっていってしまうのはどうして?

結論、480mm以下(股下73cm以下)は650Cがオススメ
小さいサイズでお困りの方、是非ご相談ください。

650C対応車種(フォークは700cのものと形状が変わります)
ZULLO:TONICA・PANTAREI
NEVI:CLASSIC・GRIMUSELL
完成車での納品も可

 

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