2011/10/12

生ハムとイチジク

ZULLO工房で働くこと5年、やっと自分のサイズでフレームを作った。
軽量なPANTAREI、コレには設計当初から関わり全面的にデザインを担った。
トラディッショナルなイタリアンのイメージを残しながら斬新な極薄鋼管を使う
モダンでありトラッド、剛性としなやかさ、甘さと辛さ、生ハムとイチジク。

私にはコレである。 

うふ。オイラ、初めてのサイズオーダー
あっ、このエンド 描いた描いた。

さて、と。 完成車にしなくては乗れない。
俺の自転車! オレの好きに組ましてもらうぞぉ っと。
いつもお客さんの自転車ばかりだったんでなんかいつもよりワクワクする。

完組のホイールを入れてみたら・・うん? なんだこりゃ。
何とも硬い
スポークがビンビンでカッチカチ。
私はクラシックな32Hしかないとハブを探すと・・・
あれっ。 カンパってもう銀色のハブを作ってない という事実にビックリ。
クロはあるけど・・昔のシマノのMTBハブみたいで苦手。
昔はICSなんてあって ポリッシュ=高級部品 だと今でも思ってる オレ。

その昔、36Hをやめる話まではフォローしていたけど 困った。
ハブはギン色、スポークはプレーンのステンレスってのが普通だと思っていた。

それがもう実現できないとは、少しがっかりや。
現地工房での完成車はシマノが9割で事情をフォローしてなかってん。
みんなイタリアやから”カンパ”って思ってるやろけど、実際はシマノが抜群に優勢。
性能が良いこともみんなイタリア人なら知っている。 え? ちょっと夢を壊した?

そこで、PANTAREIはカンパで組むことに。
しかし、ハブがない。 ZULLO氏に電話をすると彼も知らなかったらしい。
かれはすぐに本社のなじみに電話をして最後に出荷したイタリア国内の場所を聞き
あっという間にどこに残ってるか突き止めた。ものの15分である。

そう、彼も欲しかったのだ。
自分がその気になると仕事が早いイタリア人、彼もまたその1人だった。

レコードハブ32穴、近日数セット入荷します。
やっぱコレは外せない
シマノはエライなぁ、ハブを作り出した会社の歴史は今もハブをラインナップしているところに気質を感じるのはオレだけ?

余談やけど、昔のカンパハブの箱、虹色の紙箱に
”sfere speciale selezionate"
と書いてあるけど、訳すと
”特選鋼球”やねん。 その抵抗のない回りは確かにスゲェ。物言いにウソはない。
だけど最近はカートリッジタイプの工業用ベアリングを内蔵するモノがほとんど。
耐久性を受け持つ鋼球の直径は当時より小さくなっているって知ってます?
このハブ、玉を入れた状態だとひとつのベアリングになるんですよねぇ。
フランジが付いたひとつのベアリングだと考えるとコレがもっとも理にかなっている
カンパにはヴェネト老舗の意地を期待したい。

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